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2014-10-12

バンドマンと私

以前ここで、私がバンドマンってものに興味があるという話をしたけれど、そう思うようになったのにはあるきっかけがあって、今回はその出会いや経緯について話してみようと思います。

まず、バンドマンといわれる人たちは私にとって憧れの存在。自分は青春時代にバンドを組んでいたこともないし、その頃はバンドをやっているって人とあまり関わったこともなかったし、正直あまり興味をもったこともなかった。バンドの音楽はよくきいていたけど、それが「ロックであるから」とか「バンドであるから」といった意識は全くなくて、たまたまいいと思ったもののいくつかがバンドサウンドでロックというジャンルのものだったりしたくらいで。むしろ、大学の時にあった軽音のサークルに親友が入っていて(ほぼ幽霊部員だったみたいだが。笑)話をよくきいていたけど、そこにいる人たちはかなり変わってるんだな~ってゆうイメージがあって、ちょっと近寄りがたいとさえ思っていた。今考えるとかなりの偏見なんだけどね。

そんな私の考えが変わりはじめたのは、大学を卒業する年の年末にみたとあるオーディション番組。新時代のロックスタンダードを作るというコンセプトを掲げ、ユーストリームでやっていたのをなんとなしに見てみた。そこに出ているのはちょうど同じ年くらいのアーティストやバンドが多かったのだが、正直そこではその後の自分の音楽観を揺るがされるくらい、かなりの衝撃を受けてしまったのだ。

その時私は大学の卒業と就職を控えていたけど、曲がりなりにも将来は歌の仕事がしたいとか考えてボーカルスクールに通っていたし、そのスクール内の小さなライブにもちょこちょこ出始めたりして、一応「音楽をやってます」みたいな顔をしてた。だけどそのオーディションに出てる人たちは、「音楽をやってる」の次元が自分とは全く違っていた。まずそこのオーディションで闘っている人たちの演奏するものは、全部の曲がオリジナルで、プロを目指すオーティション番組の決勝戦だけあってか、それらの楽曲のクオリティもかなり高い。しかも新時代のロックというコンセプトなので、ただ完成度が高いというだけじゃなくて、自分たちの音楽の個性をしっかりもっていて、かつそれまでになかったような新しい要素がみられて、時代に新しい風をおこしてくれそうな予感さえした。そしてたかが画面ごしであるはずなのに、ライブの熱がこちらまで伝わってくる。そして曲や演奏だけでなくライブのMCやパフォーマンスにも、自分たちの個性を存分に詰め込んでいる。その経験値の高さや楽曲センスやクオリティもそうだけど、恥ずかしながら私は、自分と同じくらいの年の人たちがこんなに楽器が弾けて、自分たちだけでこんなにすごい音楽を生み出してしまうことに、その時は驚愕してしまった。
ちなみにそのオーディション番組には、同じ大学の同級生のシンガーソングライターの子も決勝に出ていて、優勝は他のバンドが受賞していたが、その子の曲やパフォーマンスも本当にかっこよくて、同い年の同じ場所で勉強している子なのに、自分とは雲泥の差のように思えた。ちなみにその子は現在メジャーデビューを果たして、独自の楽曲と歌で注目されはじめ、さらに輝きを放っている。


そのオーティション番組を見ていた時の私といえば、ライブをいくつか経験していたけど、全てバックに流れるオケにのせた誰かのカバー曲で、オリジナルなんて一つもなかった。そして、歌うまいですね~とか言われたらそれだけで喜んでたような次元。そんな段階の自分と、そのオーディションのバンドの人たちをいやというほど比べてしまって、悲しさや悔しさや情けなさなんかも通り越して、何かがふっきれたように、もうやることは一つだと思った。その後はすぐにオリジナルを作りはじめて、それをピアノで弾き語ることにしたのだ。私にとってはそれまでの形態からかなりの変革だった。
その出来事の前まで私が目指してたものは、ただ漠然と「歌が上手くて、ライブでいいパフォーマンスができる人」というような程度だったと思う。だけどその時から、自分が目指すものとして歌う曲を自分で書くことが絶対条件だと思った。自分自身曲を作って、それを自分が思うように表現して、そしてそれを誰かに求めてもらえる人たちというのが、何よりもかっこいいと感じた。その時から、私の目標は明確に、自分自身で曲を生み出す「シンガーソングライター」になったのだと思う。

話がそれたが、バンドマンは私にとって価値観を変えて自分の方向性を決定づけるきっかけであった。そしてその衝撃から私にとってバンドマンは、尊敬に値する憧れの存在といえる。なんかバンドマンってものを総称して、偶像みたいにしてるのもおかしな話だけど。笑

あとはバンドマンってものは、知れば知るほどすごく興味深かった。私の周りにいるバンドマンの人たちは、なんと言うか「生き方が下手くそ」な感じの人が多いと思っている。すごく技術が高かったり、曲にセンスがあったり、もっと売れててもいいんじゃないかと思えるバンドが結構多い。けれど、なんだか変なプライドなのかなにか知らないが、告知の仕方が下手だったり、自分たちのPRらしいことをほとんど行っていなかったりする。「アーティストというのは芸術家気質だから、専門分野以外のことはだめな人が多い」ときいたことがあるが、まさにそんな感じなのだろうか。世渡りが下手というか、せっかくの才能や作品があっても、それを人によく見せたり、人に勧めたり、人に媚びることに関してはまるっきし無頓着な人が多い気がするのだ。他の人とつるむといっても、バンドメンバーであったり、一部の気が合う仲間だけの人だったり。

これはシンガーソングライターにも言えることだと思うが、皮肉なことに、作品や才能の善し悪しと世に出て売れることは必ずしも比例していないと思う。世の中に名を知ってもらうためには、いくら才能があっても、そうゆうPRの部分が極端に下手だと難しいことが多い。そして逆に、そこまで突出しているわけでなくとも、人との関わりに長けていたりPRの仕方が上手だったりすると、何かのきっかけを掴んで世の中で認められたり、すごい結果を出す人もいるわけだ。自分の世界を大事にする芸術家タイプの人は、必ずしも世に出たいとは思っていないかもしれないが、なんだかそうゆう実情を知ると「そこの部分の努力さえすれば」と思うことがよくある。もっと多くの人の知ってもらうべき素晴らしい価値を持っている人たちが、世の中にはたくさん埋もれていると思うのだ。

そんな部分も含めて、私はバンドマンというのは、なんだか不器用だけど、どこか放っておけないような興味深い生き物だと思っている。私もどちらかと言えば、世渡りは下手だし、人とのつながりを上手く活用したり、自分のことをPRしたりすることは全く得意ではない。だからバンドマン(あくまで私が思っている一部の性質に過ぎないが)には、自分と同じ匂いがして親近感が湧いてしまうのかもしれない。そんな感じで、自分で自分の世界をもって、それを自由に表現しているバンドマンに憧れて、私はシンガーソングライターを目指すようになったともいえる。生き方が下手くそで、世の中にその価値を認めてもらえるかは分からないが、何か本能のようなもので想いを言葉や音に込め、それを鳴らし続けている。そんなバンドマンの生き方は、なんだかかっこいいと私は思っている。
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プロフィール

神楽サティ

Author:神楽サティ
神楽サティ(かぐらさてぃ)と申します。
シンガーソングライターの端くれをしています。R&B、Rock、歌謡曲などを含んだ「ポップス」を目指して、現在ライブハウスで活動中。主に気まぐれなつぶやきですが、よかったらのぞいていって下さい。

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