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2014-09-09

エッセイ

将来やってみたいこと、夢や目標というのが、私にもいくつかある。その一つが「エッセイを書く」ということだ。ただ書くだけなら、誰だっていつでできるのだろうけど、私はいつか自分のそれまでの半生を振り返り、そこで味わった数々の経験、そこから生まれた自分の価値観をまとめたものを自分自身で綴って、できればなんらかの形で世に出してみたいと、密かにだが昔から思っている。

自己満足や内輪のネタではなく、人を愉しませる商品として、作品として成り立つか。それは音楽に携わる上でも、常日頃から考えていることではある。私というたった1人の人間の経験や教訓なんて、普通に考えて誰も興味を持たないだろうし、それをつらつらと綴ったところで、身内以外に誰が読むんだという話だろう。けど、私は実際にエッセイや自叙伝の類いを読むのが好きで、自分で文章を書くことも昔から嫌いではない。そんなのはあくまでまだ趣味の範疇なのだけど。それでなんとなく人の書いたものを読んでいると、「自分もいつかこうゆうのを書いてみたい」と自然の流れの中で思うようになっていた。

エッセイ(ここでは本人の経験や考えを、その人自身の言葉でつづったものに限定しておく)の何が好きかといえば、文章の著者その人という人間が、もろその中に投影されるのである。文体しかり、その中に出てくるエピソードしかり、そこに綴られる意見や考えしかり。そして、その人がその文章で「どこまで語っているか」というのも、その人を知る上で大事というか、その文章や書き手の魅力にも通じると思う。誰かの批判をしたり、自分の苦労や体験、内面を告白したりするのには、やはり一定の覚悟や勇気がいるので、それをどこまでやってのけているのか、またその語り口や視点に説得力があるかどうか、というところに私は読み手としては最も注目しているかもしれない。

基本的に、何かを批判をしている文章というのは、その内容に共感できるか、また共感までいかなくとも説得力があって納得ができるものか、というところでその文章や書き手に対する好き嫌いはきっぱりと分かれる。それは文体とはあまり関係なく、どんなにぶっきらぼうな言い方でもすごく的を得ている批判だったりすれば、「よくぞ言った!」となるわけだが、文体がどうであれ、なんだか独りよがりで自分だけの世界や狭い価値観で他人の批判ばかりしているようなものは、批判ではなく単なる稚拙な悪口にしか聞こえず、最終的には「あなたの立場でいえることですか?」と問い返したくなる。
だからこそ何かの批判をするというのは、実はすごく難しいことで、人に嫌われてもいいという覚悟をもっていなきゃできないと思うし、これをやってのけて賞賛を浴びる人というのは、実はすごく知的で説得力があって、カリスマ性のような魅力がある人だと思う。それはもちろんその人の実績や普段からみせている人柄も、読み手の心理として関係してくると思うが、文章だけでそう思わせるなら、なおさらすごいことである。その書き手のバックグラウンドを知っていて、そこに興味をもって読み進めて「この人がいうのだから」という前提で納得してしまう部分もあるが、たまたま手に取った見ず知らずの人の本ですごく納得させられると、その人という人物のファンになってしまう。普段のその人を知らなくても、文章という内面の告白でつながったからこそ、大きな信頼になるのかもしれない。

また自分の経験を語るということに関しては、主にその人が自分の言いづらい過去や内面の弱さなどをどう語っているのかというのが、すごく興味深いポイントだ。私は、まだ自分の中にも「これはまだ人に言う勇気がない」というようなエピソードや内面の部分がたくさんあると思うが、それもいつかどこかで文章にして発してみたいと思っている。実際、私がエッセイなどの文章を読んでいて一番心打たれ感動する時は、そうしたその人自身が抱えている言いづらそうなことを、しっかりと誠意をもって語ってくれている時である。そして、書き手からすれば明らかにそれは「言いづらそうなこと」なのであるが、1人の読み手として私自身はそれをきいて、失望したりその人のことが嫌いになったりということはほとんどない。むしろ、それがすごく言いづらそうであればあるほど、書き手の人の人間的な奥深さを感じ、その経験に私自身が救われるのである。そんな辛い経験や内面の深い部分を持っていて、普通は人に言えないようなことを人に語るということは、自分の中でそのことと深く向き合っているという証拠であるし、何より「同じような誰かを少しでも励ましたい」という想いがあるのだと、私は思っている。
客観的に語るのは時間がかかるかもしれないし、難しいかもしれないが、そうゆう心の傷にふれるような部分は、他の誰かの大きな癒しや救いになるものでもあり、そうゆう経験がある人こそ、すごく魅力的な文章がかける人だと思う。文章はあまり読んだことがないが「はるな愛さん」という人は、すごく壮絶な人生を歩んで来ていて、それをあれだけメディアの中で語りながら前向きに生きていけるというのは、本当にすごいことだと思うし、表面的な明るさだけでは生まれないものすごい魅力になっていると思う。

ここまで書いておいて、エッセイというのが正確にはにどうゆう文章を指すのか、はっきりと分かっていない私であるが、とにかく人が自分について書いた文章というのは面白くて好きである。小説やフィクションはほとんど読まないけれど、エッセイなどのノンフィクションに関していえば、文体が重くても軽くても、その人が自分をどこまで見せたいのかが表れたり、また図らずとも隠しきれない部分の個性が現れたりするのも面白くて、読むのが楽しい。そして自分自身が色々悩んで来たこととか苦労してきたこととかも、文章にすることで誰かが少しだけでも何かを感じてくれたら、ものすごく嬉しいし、その経験も無駄にはならなかったと思えるだろう。これは一つの密かな私の夢である。
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プロフィール

神楽サティ

Author:神楽サティ
神楽サティ(かぐらさてぃ)と申します。
シンガーソングライターの端くれをしています。R&B、Rock、歌謡曲などを含んだ「ポップス」を目指して、現在ライブハウスで活動中。主に気まぐれなつぶやきですが、よかったらのぞいていって下さい。

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